釣り神話伝説&英雄伝
[Topに戻る]

釣り人がみんなホラ吹きとは言いませんが、世には様々な珍話笑話があるものです。
また、世の中にはいろいろな釣り人がいて名人迷人の伝説にはことかきません。
あなたが釣り場や釣り船で見かけた伝説の釣り人について教えてください。
もちろん、おもしろくさえあれば、自薦他薦は問いません。(笑)

 

記事番号 [000002] 投稿者 やまぶき [会員番号:000519]
2001/06/21 (19:11:07) タイトル フルキャストにーちゃん

 先日、神奈川県の東扇島で、気持ちのいいにーちゃんに会いました。
 その日はカニ星人ヒトデ星人(赤)の猛攻にあい、チョイ投げ&ヘチ(で底ねらい)は絶望的な雰囲気でした。

 私がイソメを2パックほど献上した頃、隣で竿を出していたにーちゃんが、突然ブチ切れました。どうも、イソメを献上してもいっこうに友好的にならないカニ星人に切れたようです。
 にーちゃんは、神業のような速さでサーフキャスト用の道具を組み立て、雄叫び一番キャスティングを行いました。

 「どぅおぅりゃぁぁぁぁ!」

 ギリシャで彫刻にされちゃいそうな、美しいフォームでした。
 熟練のシロギス星人ハンターのような体の運び、若き戦士のような力強いキャスティング、私が観た中でも最高級のキャスターです。
 しかし、私は断腸の思いで彼にこう忠告せざるをえませんでした。

 「そんな沖に根はないよ」
 「いいんです。カニはいません」
 「でも、魚も釣れないよ」
 「いいんです。ヒトデはいません」
 「でも…」
 「いいんです。餌はなくなりません」

 彼の瞳は、虚空の一点を見据えたまま動きません。
 私は、これからの釣りを担っていく若者たちに、ちょこっと不安を覚えながら帰途につきました。

   

記事番号 [000001] 投稿者 くまごろう [会員番号:000522]
2001/06/05 (12:02:47) タイトル イソメびらびら親父
えー、私、くまごろうが僭越ながら初書き込みをつとめさせていただきます。
(……ぱちぱちぱち;まばらな拍手)

もうずいぶん前になりますが、千葉県のとある釣り場にて私は「イソメびらびら親父」に遭遇しました。
護岸の角で3本の竿を扇状に出している親父さん。きいてみるとシロギスを狙っているとのこと。
ホカホカの天ぷらを妄想しヨダレを垂らしていた私は、次の瞬間目撃した事実に血の気が引いていくのを感じました。
親父さんが引き上げた仕掛けには、イソメがごっつい房掛け状態になっています。それも、おそらく5匹以上。しかも、古いイソメをブチブチとちぎるや、親父さんはまた6匹ほど房掛けにしています。

「え、えさ、つけすぎじゃないですか?」
「あに言ってんだよぉ! 魚はびらびらしてるものに食いつくんだよぉ!」
「ででででも、シロギスは…」
びらびらしてりゃあ何でもいいんだよぉ!」

言い返す気力もなくなって、泣きながら逃げ帰ろうとする私。その背に親父さんのとどめの一言。

「でも、最近セイゴばっかしか釣れねーんだよなぁ」
…あたりまえだ。とは言えない弱気な私でした。